不正行為に関する調査等規則

一 (趣旨)

本規則は、会則第四条の二第2項の規定に基づき、会員の不正行為に関する調査および審議に必要な事項を定める。

二 (不正行為の定義)

本規則において、不正行為とは、研究の遂行および成果の公表におけるデータや結果の捏造、改ざん、及び他者の研究成果等の盗用による「研究倫理綱領」に反する行為をいう。

三 (不正行為に関する申し立て)

会員は、他の会員の不正行為によって、自らの研究上の権利が侵害された場合には、会長に申し立てることができる。また、会員からの申し立てに限らず、会員の不正行為の疑いについて、本学会に対して情報がもたらされれば、次項以下の対応をとることとなる。

四 (調査の範囲)

本学会として不正行為に関する調査を行う範囲は、本学会の大会及び部会等における研究報告、学会誌及び特別委員会等の報告書に所収の論文に関するものとする。ただし、前記三によって会員自身により会長に対して申し立てがあった場合はその限りではない。

五 (調査委員会の設置)

前記三の申し立てがあった場合、あるいは、本学会に対して疑義に関する情報を入手したときには前記四の調査の範囲に限り、速やかに理事会に諮り、その議をへて、当該申し立てに係る不正行為の事実を中立的な立場で調査するために、理事会の下に調査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

六 (委員会の構成)

(1) 委員会は、理事会で選出した委員五名をもって構成する。
(2) 委員会は、委員の互選によって委員長を決定する。
(3) 委員の任期は、委員長が後記六に定める報告を終了した時点までとする。
(4) 委員会は非公開とし、委員は守秘義務を負うものとする。

七 (調査結果の理事会への報告)

(1) 委員長は、委員会設置の日から原則として三か月以内に、委員会による調査の結果を理事会に報告する。
(2) 前記(1)の報告で不正行為の事実を認定した場合は、委員長はその報告において、不正行為を行った会員に対する懲戒について意見を述べることができる。

八 (理事会による懲戒案の決定)

理事会は、前記七(2)の報告がなされたときは、付された意見があればこれを考慮して、審議のうえ、多数決により、不正行為を行った会員に対する懲戒案を決定する。

九 (評議員会による懲戒の決定)

会長は、前記八の懲戒案を評議員会の審議に付し、評議員会は、多数決により、不正行為を行った会員に対する懲戒を決定する。

十 (懲戒の通知および公表)

前記八の懲戒の決定がなされたときは、会長は、速やかに、これを書面で本人に通知するとともに、会員総会で報告し、学会広報欄に掲載する。

十一 (規則の改廃)

本規則の改廃は、理事会の審議をへて、評議員会で決定する。

附則

一 本規則二にいう「捏造」(Fabrication)とは「存在しないデータの作成」を、「改ざん」(Falsification)とは「データの変造・偽造」を、「盗用」(Plagiarism)とは「他人のアイデアやデータや研究成果を適切な引用なしで使用」することを意味する(日本学術会議・学術と社会常置委員会報告「科学における不正行為とその防止について」平成十五年六月二四日、五頁)。

二 本規則は、平成十八年九月六日から実施する。

三 本改正規則は、令和四年八月二十六日から実施する。