太田・黒澤賞審査規程細則

太田・黒澤賞の審査対象となる著書は、審査の前年四月一日から翌三月三十一日までの期間に発刊されたものとする。

 審査委員会は、次の一および三に掲げる要領にしたがって審査請求のあった著者に限り、審査の対象とする。

一 提出の要領

  (1) 審査請求者は、著書十冊を、各年の四月三十日までに、全国大会開催校宛に提出する。

  (2) 著書の提出に際しては、著書の概要書(以下概要書という。)を九部作成し、添付する。

  (3) 概要書には、左記の事項について記載する。
    (a) 著書の内容の輪郭
    (b) 著者が特に力を入れて解明した点(論文の特徴および学界への貢献)

  (4) 概要書は、左記の要領にしたがい、ワープロ原稿で提出する。
    (a) 文書スタイル
      A4サイズ(上下、左右マージン30ミリ)
      字数40字行数25行
    (b) 本文行数20行以内

  (5) 概要書には、審査請求者の氏名、所属機関、および所属機関における身分を記した上、左記の事項を明記する。
    (a) 著者名(ふりがな)
    (b) 著者の所属機関
    (c) 著者の所属機関における身分
    (d) 著書名
    (e) 出版社
    (f) 出版年月日

二 提出された著書および概要書等の取り扱い

(1) 提出された著書
提出された著書の取り扱いは、審査期間終了後、開催校に委ねる。

(2) 提出された概要書および著書等一覧表
全国大会開催校は、提出のあった著書について、一(5)の事項について一覧表を作成し、概要書とともに各審査委員宛に遅滞なく送付する。

三 審査請求者の範囲

審査請求できる者は、本学会会員に限る。ただし院生会員は除く。  

 

太田哲三先生並びに黒澤清先生の足跡と賞の由来

 

 太田哲三先生並びに黒澤清先生は、わが国会計学の理論的礎石を築かれ、また、会計制度の近代化に貢献された方々である。二十世紀の中葉において、いち早く「企業会計原則」制定の中心となって活躍され、今日の会計制度の基礎を築き上げられた。

 日本会計研究学会は、一九三七年一二月に設立されたが、学会設立に当たり発起人のメンバーとして多大な貢献をされたのも、太田哲三先生と黒澤清先生である。

 太田哲三先生は、一八八九年清水市に生まれ、一九一三年東京高等商業学校(現一橋大学)専攻部を卒業後、一橋大学、中央大学等で教鞭を執られた。また、日本会計研究学会理事長、企業会計審議会会長等の要職を歴任され、わが国の会計制度の黎明期に重要な役割を果たされた。

 黒澤清先生は、一九〇二年茨城県那珂湊に生まれ、東京帝国大学(現東京大学)を卒業後、中央大学、横浜国立大学、獨協大学等で教鞭を執られた。また、日本会計研究学会会長、企業会計審議会会長等の要職を歴任され、わが国の会計制度の確立発展に多大な貢献をされた。

 「太田黒澤賞基金」は、当初、太田先生 のご寄付により発足し、その後、黒澤先生のご寄付によりその基盤が確立したが、平成十三年、「監査法人 太田昭和センチュリー」(現:新日本監査法人)から太田先生の偉大な業績を讃え、そのご遺徳を偲ぶよすがにしたいとの意向から、毎年、追加的な資金援助の お申し出をいただき、基金の拡充が図られた。